変わるものと変わらないもの
変わるものと変わらないもの
波打つ浜辺にて
毎日違う人が押し寄せてそれぞれの足跡を付けていくが無残にも波がその痕跡を消してしまう
恒久永遠の波が無常な人の世を素知らぬように
人は皆喜怒哀楽もがき苦しみながら僅かな喜びを求めて世代を繋いで生きているなか波は万年あいも変わらず打ち続ける
生まれたばかりの頃、この森羅万象の神秘に想いを馳せ岩山の下、崖っぷちの畦道、断崖絶壁をさすらい続けた
気がつくと檻の中のガラクタをかき集めるボロ雑巾にな成り果てた自分に気づく
歳を重ねるに連れて海の声 山の声は聞こえなくなり貝殻はかたく閉じられていく
全力で外界と触れているはずが同じく全力で殻を閉じている
閉じ続けた殻は二度と開かない